デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組み
当社における、デジタル・トランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用して企業のビジネスモデルを変革し、新たな時代を勝ち残れるよう自社の競争力を高めることを目指すことと考えています。単にITによる業務の効率化に留まるのではなく、その本質は、企業の文化・風土を改革し、組織を変え、考え方をデジタル時代に適合するよう変えることにあります。
またDXを推進することで、新しい技術を駆使して新たなビジネスモデルを構築できると考えます。利益の追求だけではなく、お客様のニーズに細かく対応できるようになり、社会問題の解決の糸口にもなりえます。デジタル化が進む現在、DXは企業が成長するために必要不可欠なことと当社は考えます。
そこで当社では、「つながるIT社会インフラ」プラットフォームの実現に向けて、IT社会インフラにおけるブロックチェーンの適用可能性について、以下の6点の内容から検証環境を構築し検証構築作業を進めています。
世の中のあらゆるモノをネットワークに接続することで、さまざまな付加価値を生み出すことを目的としたITインフラストラクチャです。
AI(人工知能)、ビッグデータなどの技術とともに利活用することで、経済活動の効率性や生産性が大きく向上すると見込まれています。
さらに、高齢・人口減少社会における経済、社会保障などの面で生じる課題を解決する手段としても注目を集めています。
企業や業界においてさまざまな取り組みが行われているものの、いまだ特定の企業や工場内の最適化、生産性向上といった狭い適用範囲での利用にとどまるものが多くあります。しかし、各種のデータの統合と利活用による潜在力を考えれば、サプライチェーンの上流から下流にかかわる企業がデータによって結び付くことで、業界を跨がる社会のあらゆるモノがIT社会インフラでつながり、人の関与なしにモノが自動的・自律的に動作する方向へ進展するとみられます。
一社単独で提供するのは困難であり、さまざまな企業が連携してサービスを提供するオープンイノベーションが不可欠です。その際、他社との協業体制を構築し、素早く、最適に結び付き、新しいサービスを提供することが可能な「つながるIT社会インフラ」のプラットフォームが必要になります。そうしたIT社会インフラプラットフォームの実現において、従来のITシステムで一般的な中央集権型であれば管理主体に負荷やコストが集中するうえに、管理主体の技量や資金力が システムの機能や信頼性の制約条件となります。そこで、参加者間で分散統治する分散型システムを形成 するほうが有利となる場合があります。
ブロックチェーンは分散型システムの一種であり、その革新性や応用の可能性から大いに期待を集める技術です。ブロックチェーンは特徴の異なる3種類に大別できると言われており、それぞれ特徴や適性があるにもかかわらず、一括りに議論されることが多く、正しく認知されているとは言い難いです。分類ごとの特徴や課題を十分把握したうえで利用目的やシステムへの適合を見極めなければ期待する 効果は得られません。
ブロックチェーンは発展途上の技術であり、現時点の成熟度を勘案すれば、コンソーシアム型と呼ばれるブロックチェーンの活用が最もIT社会インフラプラットフォームに適合する可能性が高いと言えます。台帳を分散保持することで障害に対する耐性を高め、さまざまなモノやサービスの接続を容易にする拡張性を備え、参加者間での相互運用性の向上が期待できます。さらに、副次的なメリットとして、スマートコントラ クトと呼ばれる自動執行機能をブロックチェーンに実装することにより、参加者は共通のルールに従わざるを 得ないため、標準化とオープンイノベーションの推進に寄与します。
最初から完全な正解(仕組み)を求めて長時間を費やすのではなく、少数の関係者でコンソーシアムを組み、実現可能性の高いところから迅速に試行錯誤を繰り返し、運用しながら修正・拡張していくことが重要であり、そうした観点からも、IT社会インフラにおけるブロックチェーンの利活用にはメリットがあると考えます。
IT社会インフラとブロックチェーン技術を組み合わせた最先端技術を活用し、研究開発及び実証実験を積み重ね、業務利用に向けた取り組みを実施しています。